「膝が伸びにくい」「正座がつらい」「階段がこわい」
そんな違和感を感じたことはありませんか?
50代以降は、体の変化とともに、膝まわりの不調や痛みが少しずつ現れはじめることがあります。
でも、「もう年だから」とあきらめる前に、体の使い方や姿勢のクセを見直してみることが大切です。
このブログでは、膝の不調の原因や、日常で気をつけたいポイント、
そしてヨガで実践できる“ひざを守る習慣”を、お伝えしていきます。
目次
- はじめに|「正座がつらい」は、歳のせいだけじゃない
- 膝が痛む・伸びない原因とは?|姿勢・筋力・柔軟性の関係
- 50代から増える「膝の不安定さ」とは?
- ヨガでできる、膝にやさしい動きと意識のポイント
- マミヨガで大切にしている“ひざを守る姿勢”
- まとめ|ひざを大切にすることは、人生を軽やかに歩くこと

1. はじめに|「正座がつらい」は、歳のせいだけじゃない
「昔はできていたのに、正座がつらくなった」
「膝がなんとなく重い、伸びにくい」
「立ち上がるときにひざが“ピキッ”とする」
そんな小さなサインが、50代になると少しずつ増えてきます。
ですが、それは“加齢だから仕方ない”だけではなく、日常の姿勢や動きのクセによる負担の蓄積かもしれません。
実は、膝そのものよりも「骨盤」「股関節」「足首」といった周囲の部位の使い方に原因があることも多いのです。
2. 膝が痛む・伸びない原因とは?|姿勢・筋力・柔軟性の関係
膝の痛みや違和感は、「ひざそのものの問題」と思われがちですが、
実際には全身のバランスや使い方のクセが大きく関わっています。
とくに50代以降は、筋力や柔軟性の低下、姿勢の崩れが積み重なり、
膝への負担が少しずつ大きくなっていくのです。
🔸 原因①|骨盤と股関節のアンバランス
骨盤が前傾したり、片側だけが下がっていたりすると、
本来まっすぐ降りるはずの重力が、ひざ関節に偏ってかかるようになります。
また、股関節が硬いと、膝の動きが代償的に増え、
曲げ伸ばしのたびに余計な負荷がかかることもあります。
🔸 原因②|太もも・ふくらはぎの筋力と柔軟性の低下
膝関節は、太もも(大腿四頭筋)とふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)のバランスに支えられています。
これらの筋肉が硬くなったり、弱くなったりすると、膝の可動域が狭くなり「伸びない」「動かしにくい」と感じるようになります。
🔸 原因③|足裏の重心バランスの崩れ
普段の立ち方や歩き方が、つま先側や外側に偏っていると、
その分の負荷が膝に集まり、関節の片側だけを酷使してしまうこともあります。
「足裏のどこに重心があるか」は、自分では気づきにくい部分。
ヨガではこの“重心の観察”をとても大切にしています。
💡「膝だけ」を見ても、根本改善にはつながらない
膝の不調は、姿勢・筋肉・関節のつながりのなかで起こっています。
そのため、湿布やサポーターだけで対処するよりも、
体全体を見直すことが、長い目で見ての改善につながるのです。
次は、50代以降に起こりやすい「膝の不安定さ」とその背景について見ていきましょう。
3. 50代から増える「膝の不安定さ」とは?
🔸「不安定さ」とは、“筋力”だけの問題ではない
膝が不安定に感じると、「筋力が落ちたのかな」と思いがちですが、
実際には、体の感覚(バランス感覚・位置感覚)や連動性の低下が大きく関係しています。
たとえば、
- 足裏の重心がズレている
- 股関節や足首がかたい
- 骨盤が左右で傾いている
- お腹(体幹)に力が入りづらくなっている
これらの小さなズレが、少しずつ膝に“ぐらつき”として現れてきます。
🔹 こんなサイン、ありませんか?
- 階段を降りるとき、膝に違和感がある
- 立ち上がるときに膝に「カクッ」とした感覚がある
- 正座やしゃがむ姿勢が不安で、手をついてしまう
- 運動するとき、膝より先に足首や腰が疲れる
これらは、膝が“力任せに支えさせられている”状態かもしれません。
🌿 ヨガで育てる「ひざを支える感覚」
マミヨガでは、膝の不安定さを改善するために、
**“筋トレ”ではなく“支える感覚を育てること”**を大切にしています。
具体的には、
- 土台となる足裏や内ももを意識すること
- 呼吸と連動させて、お腹から動く練習をすること
- 小さな動きの中で「どこで支えているか」に気づくこと
こうしたアプローチによって、膝まわりの負担が軽くなり、
「なんとなく不安定だった足元が、しっかり地に足がつくようになった」と感じる方も増えています。
4. ヨガでできる、膝にやさしい動きと意識のポイント
膝に不安があると、「ヨガって膝に負担がかかりそう」と思われることもあります。
でも、動きを選び、意識の向け方を変えるだけで、膝にやさしく、安心して取り組めるヨガがたくさんあります。
ここでは、50代から始められる「膝を守るヨガ」のための基本のポイントと、やさしい動きの例をご紹介します。
🔹 ポイント①|膝ではなく、“足裏と股関節”を意識する
膝は、骨盤と足首の“間”にある関節。
単体で動かすよりも、股関節と足裏の連動を整えることが膝を守る鍵です。
🧘おすすめの動き:足裏観察&ヒールアップ
- まっすぐに立ち、両足で床を踏みしめる
- 親指・小指・かかとの3点で均等に重心を感じる
- 吐く息に合わせて、かかとを軽く持ち上げ、吸う息で戻す
💡足裏に意識を向けることで、膝のねじれや緊張を防ぎ、姿勢全体の安定感が高まります。
🔹 ポイント②|“曲げ伸ばし”は、ゆっくり・ていねいに
日常生活で何気なく行っている「立つ」「しゃがむ」「正座」。
これらの動きも、スピードや重心のコントロールを意識するだけで、膝への負担はぐっと減ります。
🧘おすすめの動き:チェアポーズのやさしいバージョン(イスなし)
- 両足を腰幅に開いて立つ
- 息を吸って背筋をのばし、吐きながらお尻を軽く後ろへ引いて膝を曲げる
- 両手は腰でも前でもOK。膝がつま先より前に出ないように注意
💡下腹部を引き込む感覚と、お尻で“支える”意識が膝の安定につながります。
🔹 ポイント③|“ひざを通る呼吸”を感じてみる
ヨガでは、「呼吸が届いている場所に意識が生まれる」と言われます。
膝に痛みや不安があるときこそ、ゆっくりとした呼吸で、膝まわりの緊張をゆるめてあげることが大切です。
🧘おすすめの動き:仰向けひざ抱えポーズ
- 仰向けになり、片膝を両手で抱える
- 吐く息でお腹を引き込み、抱えている膝が体に近づく感覚を味わう
- 反対側も同様に行う
💡腰や膝まわりを緩めながら、腹圧と呼吸で内側から支える感覚が育ちます。
🌿 ヨガは“動くケア”。今日からできるひざ守り
膝を痛める前に、できることはたくさんあります。
それは「鍛えること」よりも、**「やさしく整える」「意識して動く」**ことから始まります。
「痛くなる前に、支えられる体をつくる」
それが、マミヨガで大切にしている“予防としてのヨガ”の考え方です。
5. マミヨガで大切にしている“ひざを守る姿勢”
マミヨガでは、「膝を守るために特別なことをする」というよりも、
普段の立ち方や動き方そのものを、少しずつ見直していくことを大切にしています。
🔹 正しい姿勢は、膝にやさしい姿勢
ヨガのポーズのときだけでなく、日常の「立つ・歩く・座る」動作でも、
体の重心が正しい位置にあることが、膝への負担を減らすポイントです。
マミヨガでは、こんな“姿勢の感覚”を意識してもらっています:
- 足裏3点でしっかり床をとらえる(親指・小指・かかと)
- お尻の穴をすこし下に向けるように意識する
- 下腹(丹田)を引き込み、腰が反らない位置に骨盤を整える
このような、体の内側から支える感覚を育てることで、
膝が無理に頑張らなくてもよい「自然な姿勢」へと近づいていきます。
🔹 姿勢を“正す”のではなく、“整える”
多くの方が「姿勢をよくしなきゃ」と思って、
かえって背中や腰を緊張させ、膝に負担をかけてしまうことがあります。
マミヨガでは、姿勢を力で“正す”のではなく、
ムダな力を手放しながら“整える”ことを何より大切にしています。
膝を守るには、まず体全体の力みをほどいて、
本来の重心・本来の動きを取り戻すことからはじめていくのです。
🔹 50代からでも、やさしく変われる
年齢を重ねるほど、体のクセはしっかり染みついているもの。
でもそれは、「もう変われない」ということではありません。
「気づいて、ゆるめて、整える」
そのやさしいプロセスを重ねていくことで、膝も、姿勢も、少しずつ変わっていくのです。
💬 わたし自身の経験から伝えたいこと
実は、私自身も膝が抜けやすい体質で、これまでに何度も脱臼のような症状を経験してきました。
椅子に座っていて、呼ばれた方向にふと振り向いた瞬間。
立ち上がるときに骨盤と膝がバラバラの方向を向いたまま動いたとき。
関節にうまく力が入っていない状態で足を動かしたとき。
そんな「正しく動けていなかった瞬間」に限って、膝が“ズレる”感覚があり、自分で元に戻すようなことも何度もありました。
でも不思議なことに、ヨガをしているときは一度も抜けたことがありません。
それは、ヨガの中で“正しい動き”を自然に身につけていたからだと思っています。
関節に負担のない角度で動くこと、重心の乗せ方を意識すること、呼吸と一緒に動くこと…。
どれも、自分の膝を守る力になっていたのだと、今では感じています。
だからこそ私は、「ただ動く」のではなく、「どう動くか」を大切にしたヨガをお伝えしたいと思っています。
6. まとめ|ひざを大切にすることは、人生を軽やかに歩くこと
膝の違和感や不安定さは、ある日突然ではなく、
日々の姿勢や体の使い方の“ほんの少しのズレ”から、少しずつ積み重なっていきます。
そしてそれは、気づいたときから、やさしく見直していくことができます。
🌿 ヨガは、「がんばる」より「気づく」ことで変わっていく
「正しい動きを知ること」
「必要な場所に力を入れ、必要のない力みを抜くこと」
そんなヨガの学びは、膝に限らず、体のあらゆる不調にやさしく寄り添ってくれます。
無理に鍛えるのではなく、“自然に整う体”をつくっていくことが、
結果的に、膝を守ることにつながっていくのです。
💬 ひざを守ることは、人生を軽やかに進む準備
「立ち上がるときに、手をつかなくてよくなった」
「階段がこわくなくなった」
そんな日常の小さな変化が、これからの人生の自由度を高めてくれます。
体をケアすることは、未来を大切にすること。
ひざを守ることは、この先も“自分の足で歩いていける体”を育てていくことです。
☘️ わたしから、あなたへ
私自身、今もなお、膝に不安を抱えながら日々の暮らしと向き合っています。
だからこそ、「正しく動くことの大切さ」を実感しています。
ヨガは、そんな不安を“なくす”のではなく、
「うまく付き合う方法」や「安心して動ける体」を育てる時間です。
どうかあなたも、自分の体にやさしく向き合うきっかけとして、
ヨガをそっと取り入れてみてくださいね。
このブログが、あなたのひざと、あなた自身を大切にするヒントになりますように🌿