窓の外に、しとしとと雨が降る朝。

カーテンを開けた瞬間、なんだか胸のあたりが重たい。
体は起きているのに、心がまだ布団の中にいるような──。
そんな日が、続いていませんか。

毎年、梅雨の時期になると「理由はないのに、なんだかしんどい」「体がだるくて頭もぼんやりする」というお声を、レッスンに来てくださる方からたくさん伺います。
5月の終わりから6月にかけて、毎年のように同じお話が出てくるので、私自身も「あ、今年も来たな」と感じる季節になりました。

とくに50代に入ってからは、その揺らぎを以前より敏感に感じるようになったという方が、本当に増えてきます。
若い頃なら「雨だし、まあいいか」で流せていたことが、なんとなく胸にずっと残ってしまう。

これは、決してあなたの心が弱いからではないと、私は思っています。
季節と体がいっしょに大きく動く時期だからこその、自然な反応なのかもしれません。

今日は、そんな梅雨どきの「なんとなくしんどい」と、やさしく付き合っていくための
私自身が日々大切にしている過ごし方と、おうちでできるヨガを、ゆっくりお伝えしていきますね。

1.雨の日に気分が沈むのは、気のせいじゃない

「雨の日になんとなくだるい」「気持ちが沈む」──これは、私のレッスンでも本当によく耳にするお話です。

私自身も、若い頃は気のせいだと思っていました。
でも50代になり、自分の体の声を丁寧に聴くようになってから、雨の日と晴れの日では、体の状態がはっきり違うことに気づくようになりました。

梅雨の時期、私たちの体には、いくつかの“静かな負担”がかかっているようです。
私が本で読んだり、自分の体で実感したりしたことを、いくつかお話ししますね。

● 気圧が下がる日が続く

梅雨どきは、低気圧の日が続きます。
気圧が下がると、休む時間を司る神経が優位になりやすいと聞いたことがあります。
なんとなく、だるい。眠い。やる気が出ない。
私自身も、雨の日の朝はベッドからの起き上がりが、いつもよりちょっとだけ重く感じます。

● 湿度が高くて、体に熱がこもる

湿度が高い日は、汗をかいてもうまく蒸発しないと本で読みました。
体に余分な水分や熱がこもりやすくて、むくみ・冷え・胃腸の重さとして感じることがあります。
「梅雨になると足が重い」「お腹がはる」──私自身も毎年そう感じるので、これは“こもり”のサインなのかな、と理解しています。

● 朝の光が少なくなる

朝の光をしっかり浴びることが、気持ちのリズムを整えるうえで大切だと、よく耳にします。
けれど梅雨の時期は、その光が少なくなりがち。
朝起きても部屋が薄暗くて、なんとなく頭がスッキリしない──そんな日が続くと、気分の上下も少し大きくなるように感じます。

● 外に出る機会が減って、巡りがゆっくりに

雨が続くと、お買い物にもお散歩にも、つい腰が重くなりますね。
家の中で過ごす時間が増えると、自然と体を動かす機会が減って、体の巡りもゆっくりになる気がします。
「動かないから、もっと動きたくなくなる」──そんな小さなループに、私自身も毎年はまりかけます。

雨の窓辺で外を見つめる50代女性

2.50代になって気づいた、「無理に晴れさせなくていい」

私は49歳のとき、体が動かなくなる経験をしました。
毎日4時起き、フルタイム勤務、夜10時帰宅──そんな生活を続けていて、ある朝とうとう体が起き上がらなくなったのです。
(詳しくはこちらの記事に書いています:50代からの“自分を大切にする生き方”|ヨガが教えてくれた心の気づき

そのとき、ほんとうに気づいたんです。
50代の体は、若い頃と同じ走り方をしてはいけないのだと。

50代を迎えてから、私は少しずつ「無理に晴れさせなくていい」と思えるようになりました。

雨の日には、雨の日にしかできない過ごし方がある。
そう気づいてから、梅雨の時期が前より少しだけ、好きになりました。

ここからは、私が雨の日にいつも大切にしている、いくつかの小さな習慣をご紹介します。
どれも特別な道具はいりません。今日から、いえ、今この瞬間から始められます。

● 朝の1分、深呼吸からはじめる

目覚めたとき、まずカーテンを開けて、空に向かってひと呼吸。
たとえ曇り空でも、外の空気を肌で感じるだけで、体が「今日もはじまるよ」と目を覚ましてくれます。

窓を少しだけ開けて、外の空気に触れる。
鼻からゆっくり、4つ数えながら吸う。
口から長く、6〜8つ数えながら吐く。
これを5回くり返すと、だいたい1分ほど。

たったそれだけのことなのに、不思議と頭がスッキリしてきます。
大切にしているのは「吐く息を、吸う息より長く」。
長く吐いたあとは、肩の力がふっと抜けて、ゆっくり目が覚めていく感覚があります。

私はこの1分間を、コーヒーを淹れる前のひと手間として習慣にしています。
雨の音をBGMに、ゆっくり吐く。
たったそれだけで、体の内側の重たさが、すこし軽くなっていく感覚があるのです。

呼吸については過去にもくわしく書いていますので、よかったらこちらも。
呼吸が浅い原因と改善法|50代からできる“深い呼吸になるヨガ”

● 「やらない日」を、自分に許す

梅雨どきは、思いきって「今日は頑張らない日」と決めてしまうのも、ひとつの整え方です。

洗濯物を、一回お休みする。
夕飯を、簡単なお味噌汁とおにぎりだけにする。
テレビやスマホを消して、本を1ページだけ読む。
返信しなきゃと思っているLINEを、明日に回す。

こうして“ちゃんとしない”時間を、自分にプレゼントしてあげる。

50代の体と心は、若い頃のように毎日100%で走り続けるようにはできていないと、私は感じています。
むしろ、いったん力を抜くからこそ、次の一歩がふっと軽くなる。
そんな仕組みに、ゆっくり変わってきているのかもしれません。

「やらない日」は、決してサボりではなく、これから先を健やかに生きるための、大切な“余白の時間”だと思っています。
ご家族には「今日は雨だから、ちょっと省エネにするね」と、にっこり伝えてみてください。
意外と「いいよ、ゆっくりしなよ」と返してくれること、多いですよ。

● 五感で、体に「気持ちいい」を届ける

気分がモヤモヤするときほど、私は五感を頼りにします。
頭で「気分を上げよう」と頑張るより、体に「気持ちいい」を直接届けるほうが、ずっとラクに整うからです。

たとえば、こんな小さなこと。

  • お気に入りのハーブティーを淹れて、湯気ごと深く吸い込む
  • 部屋の明かりを少し落として、間接照明でやわらかく
  • あたたかいタオルを電子レンジで30秒。首の後ろにあてる
  • 窓を少しだけ開けて、雨の音に耳をすませる
  • 好きな香りのハンドクリームを、いつもよりていねいに塗る

頭で考えるのではなく、体の感覚で“心地よさ”を感じる時間を持つこと。
そうすると、不思議と心のモヤモヤが、すこしずつほどけていきます。

とくに「首の後ろを温める」のは、私の一番のおすすめです。
ここを温めると全身がじんわりあたたかくなって、自然と肩の力が抜けていく感覚があります。
雨の日のだるさを感じたら、一度試してみてくださいね。

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3.雨の日に、おうちでできる3つのヨガ

雨で外に出られない日こそ、おうちヨガの出番です。

激しく動かなくても、大丈夫。
呼吸とゆっくり一緒に、体のこもった重さをそっと流すイメージで動いてみてくださいね。

ここでご紹介するのは、私が雨の日によくおうちでしている、やさしい3つのポーズです。
全部やっても10分ほど。朝でも、お昼でも、寝る前でも。お好きな時間にどうぞ。

● 胸をひらくポーズ|気持ちが内側にこもったときに

椅子に浅く腰かけて、足の裏を床にぴったりつけます。
両手を背中の後ろで組んで、息を吸いながら、胸を天井に向かってひらいていきます。
肩甲骨をそっと寄せて、そのまま3呼吸ほどキープ。
息を吐きながら、ゆっくり手をほどき、肩の力を抜きましょう。
これを3回くり返します。

手が後ろで組めない方は、タオルを両手で持つだけでもじゅうぶんです。
大切なのは、形よりも「胸がひらいた感覚」を味わうこと。

梅雨どきは、湿気や気圧で知らず知らずに猫背になりがちです。
胸が縮こまると、呼吸も浅くなり、気持ちまで内側にこもってしまう。
胸をひらくだけで、呼吸の通り道がふわっと広がって、気持ちまでふっと軽くなる感覚があります。

● キャット&カウ|背中をやさしくゆるめる

四つん這いになります。手は肩の真下、ひざは骨盤の真下に。

息を吸いながら、背中を反らせて、お腹を下げ、目線は斜め上へ──カウのポーズ。
息を吐きながら、背中を丸めて、おへそをのぞき込みます──キャットのポーズ。
呼吸に合わせて、ゆっくり5〜10回くり返します。

背中まわりがこわばっていると、呼吸も浅くなりがちだと私は感じています。
このポーズで背骨ひとつひとつをていねいに動かしていくと、気持ちのざわつきも一緒に静まっていく──そんな感覚を、私自身もよく味わいます。

ひざが痛い方は、毛布やマットを敷いてあげてくださいね。
動きの大きさより、呼吸とのつながりを大切に。

● 前屈で、頭を空っぽにする

床に長座になり、両足を前に伸ばします。
足が硬い方は、ひざをゆるく曲げてOK。お尻の下にタオルやクッションを敷くと、もっとラクです。

息を吸って、背すじを天井に向かって伸ばす。
息を吐きながら、無理のないところまで、体を前に倒していきます。
そのまま5呼吸ほど、深い呼吸で待ちましょう。
息を吸って、ゆっくり起き上がります。

頭が心臓より下にくるこのポーズは、考えごとでいっぱいになった頭を、すーっとリセットしてくれます。

「届かない、つかない」を目指す必要は、まったくありません。
大切なのは、背中の伸びと、呼吸の深さと、心の静けさ。
体が硬くてもいいのです。むしろ硬い体ほど、ていねいに呼吸できる、貴重なチャンスだと私は思っています。

前屈がつらい方には、こちらの記事も。
【50代から始める】前屈がつらい体でもラクに動けるヨガ

4.食事と眠り|雨の日の小さなケア

体を整えるとき、私が忘れたくないのが食事と眠りです。
難しいことはしなくても、日々の食卓と寝室をほんの少し見直すだけで、体の感じ方は変わってくるように思います。

● あたたかいものを、ゆっくりと

私は冷たい飲みものや生ものが続くと、体の中がひんやりして、よけいにだるさを感じることがあります。
梅雨の時期は、できるだけあたたかいお味噌汁・スープ・お粥を、1日1回でも取り入れるようにしています。

私がよく選ぶのは、生姜・大根・ねぎ・かぶ。
「梅雨どきの体にやさしい食材」として本で紹介されているのを見てから、なんとなく手が伸びるようになりました。
「胃腸を休ませる日」をつくることも、私にとっては大切なセルフケアのひとつです。

● 毎朝、白湯を1杯

もうひとつ、私が毎朝続けているのが白湯(さゆ)です。
朝起きてすぐ、コップ1杯のお湯をゆっくり飲むだけ。
これだけで一日のスタートが整いやすい気がして、もう何年も習慣にしています。
「冷たい水よりお湯のほうが、なんだか体が喜ぶ気がする」──そんな声を、生徒さんからもよく伺います。

● 甘いものは、ほどほどに

気分が沈むと、つい甘いものに手が伸びてしまうのですが、私は次の日に体が重く感じることが多くて、ちょっとだけブレーキをかけるようにしています。
我慢する必要はないけれど、「あ、今ちょっと食べ過ぎたかな」と気づくだけでも、体への気配りはぐんと変わるように感じます。

● 寝る前の1時間を、丁寧に

雨の音は、眠りを誘ってくれるはずなのに、なぜか寝つけない夜もありますね。
そんな夜は、寝る前の1時間の過ごし方を、少しだけ変えてみてください。

  • お風呂は、ぬるめ(38〜40度)にゆっくり10分
  • スマホは、ベッドの外に置く
  • 部屋の明かりは、就寝1時間前から少し落とす
  • 布団の中で、3章の「前屈」を1分だけ

そして、布団に入ってからの「最後のひと呼吸」を、いつも丁寧に。
「今日も一日、ありがとう」と心の中でつぶやきながら、長く息を吐く。
これは私が毎晩している、いちばん小さなセルフケアです。
不思議と、雨の夜でもすっと眠れる回数が増えていきます。

梅雨どきにおすすめの和食朝食と、ぐっすり眠る女性

5.「動かないと」「頑張らないと」を、ちょっとだけ手放す

レッスンでよくお話しすることなのですが、梅雨どきの「しんどさ」と上手に付き合うために、私がいつもお伝えしている小さなコツがあります。

それは、「動かないと」「頑張らないと」を、ちょっとだけ手放してみること。

たしかに、ある程度体を動かしたほうが巡りやすい、ということは私も実感しています。
でも、本当にしんどい日に激しく動こうとすると、かえって疲れが残ることがあるなと、自分の体を通して感じています。

静かな呼吸と、ゆっくりした動き。
これが、梅雨どきの私の体にはちょうどよい刺激のようです。

そして、梅雨の気分の沈みは、心の弱さからくるものではないと、私は思っています。
季節と体がいっしょに揺らぐ時期だからこそ、起きること。

「私だけがしんどい」と思いがちですが、レッスンでも同じ時期に同じお声を、本当にたくさん伺います。
「ああ、季節のせいかもしれないな」と気づくだけで、肩の力がふっと抜ける方がたくさんいらっしゃいます。

晴れの日と雨の日で、体の状態は違って当たり前。
同じ調子で頑張ろうとすると、体がついていかなくて、よけいに疲れてしまいます。
「雨の日は、ちょっとペースを落としてもいい」──そう自分にゆるしを出すことが、梅雨を健やかに乗りきる、いちばんの近道なのかもしれません。

6.それでも、何もできない日もある

深呼吸も、ヨガも、食事も眠りも──なんだか今日はどれもやる気が出ない。
そんな日も、もちろんあります。

そんなときは、どうかご自分を責めないでください。

雨の日に気分が沈むのは、体と心が「ちょっと休ませてね」とお願いしている合図なのかもしれません。
その声を無視しないで、布団の中でゆっくり過ごす日があってもいい。
大好きな映画を観たり、お風呂に長く浸かったりするだけで、十分に「今日を整えている」のだと思います。

「何もしなかった」と感じる日も、本当は、体が大切なメンテナンスをしてくれている日。
明日、ふっと気持ちが軽くなるためには、今日のゆるみがどうしても必要だった。
そう思って、ご自分にやさしくしてあげてくださいね。

50代からの心の健康は、「いつも前向き」でいることではないと、私は思っています。
沈むときは沈み、ゆるむときはゆるむ
そうやって、自然のリズムと一緒に揺れていくこと。
そんな“しなやかさ”を育てていくことこそが、これからの私たちにとって、いちばん大切な力なのではないでしょうか。

雨の日が続いたあとの、ふっと晴れた空。
その青さに気づける心を持っているなら、それだけでもう、十分に整っているのだと思います。

7.まとめ|雨の日も、自分にやさしく

梅雨どきの「なんとなくしんどい」は、季節と年齢が一緒にやってくる、自然な揺らぎなのかもしれません。
無理に晴れさせようとせず、雨の日には雨の日らしく、ゆるやかに過ごしてみてくださいね。

今日のおさらいです。

  • 朝の1分、深呼吸からはじめる
  • 「やらない日」を、自分に許す
  • 五感(香り・あたたかさ・音)で、体に心地よさを届ける
  • 胸をひらく・背中をゆるめる・前屈する、おうちヨガ
  • あたたかい食事と、ぬるめのお風呂で、ゆっくり眠る

雨音をBGMに、ゆっくりと自分の呼吸に耳をすませる時間。
それは、外の天気がどうであれ、あなたの心の中に小さな晴れ間をつくる時間になります。

もし「ひとりだとつい怠けてしまう」「自分の体に合った動きを知りたい」と感じたら、
マミヨガのパーソナルレッスンで、いっしょに体と心を整える時間を過ごしませんか。
梅雨の重たい体も、呼吸と動きでふっと軽くなる感覚を、一度味わっていただけたら嬉しいです。
北九州の小倉・八幡西区エリアを中心に、ご自宅出張のレッスンも承っております。

梅雨が明けたら、すぐに夏がやってきます。
その夏を元気にむかえるために、今この時期、ていねいに自分を整えておけたらいいですね。
梅雨は決して、ただ過ぎ去るのを待つ季節ではなく、来たる夏に向けて、心と体の土台を整えるための「小休止の時間」なのだと私は思っています。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます🌿
あなたの梅雨が、すこしでもやわらかなものになりますように。

🌿 mamiより